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手順書を書くことの難しさ

Diary5 min read

First

父親が今年で定年退職した.老後の人生の第一歩ということで,いままでアウトソーシングしていたことをなるべく自分で済まていきたい,と言う.
それで,今年は例年は人任せにしていた年賀状の作成を自分でやるのだ,といって,年賀状作成ソフトやらなんやら買ったところまではよかった.
どうしても使い方がわからんという.

他に紙の書類を PDF 化して役所に送りたいとかなんとか.

これまで営業や経営畑の人で,細かい使い方みたいなことは秘書や部下といった人に見てもらっていたから,どうにも自分でどうこうする,というのが苦手になってしまったらしい. せっかく意気込んであれこれ用意したんだし,ご自分でなんとかしていただきたい,という言葉を飲み込んで手伝いに行った.
最初に変に挫折されるのもアレだし,年賀状なんかはひとさまのところに出ていくものなので,失敗したくないという気持ちもわかる.

ドキュメントが通じない

年賀状作成アプリをインストールし,年賀状の作成と印刷,住所録の作成などをひととおり調べた.
作業の途中途中で,これはどうせ手順を説明せよ という話になるだろうと思って,父の Google アカウントを使って Google Docs に手順を書いていった.
わりと丁寧に書いたつもり(業務で書くより 5 割増くらい).

ただ,これは全然そうでもなかったことがそのあとわかった.

  • Google Docs は見づらいので印刷する必要があった
    • そのくらいしたほうがよい,というのはそう
  • Windows のエクスプローラでドキュメントを開いて,という指示がまったく通じない
    • エクスプローラという用語がまずわからなかったり,直感的に GUI を操作できても,それと名称が一致しているわけではなかった
  • ボタンを押下して とか,設定を確認して のような説明書的な記述がいまいち通じない
  • あと,Google Docs のデフォルトの文字サイズは微妙に小さいらしい
    • これはさすがに言い過ぎな気もするが・・
  • 画面のキャプチャにコメントや矢印,図形を載せて図示しても伝わらない
    • 画面のキャプチャをクリックしはじめたときはどうしようかと思った・・

教訓的なもの

IT のエンジニアとして,手順を読者目線できちんと書けば通じるものと思っていたが,そもそも PC の使い方が危うい人に伝える難しさのようなものを感じた.
ぼくの父親はまだ 60 半ばなので,現役時に業務でふつうに PC を使っていた(はずだ)し,そこそこ丁寧に説明書的に書けば通じると思ったが,どうもそうではなかったというのを学んだ.

しかし,世にはぼくでさえ読むのに苦しむようなドキュメントが溢れているし,そういうのがちっとも伝わらないというのは溢れているのであろう. うーん・・ (とくにオチはない)