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大学で臨時講師をしていた

Diary8 min read

某大学院で基礎科目を教えたのでその話でも

2023/10-11 で某大学院(この記事の主旨ではないのでぼかす)で臨時講師として一講義受け持った. ぼくはふだんはいちソフトウェアエンジニアとして開発を生業としているので,講師はおろか人前で喋るようなこともあまり機会がないが,なんとかなるやろという根拠のない勢いで引き受けた.はたしてどうにかなったかどうかは謎のまま経緯のようなものを簡単に書く.

準備

某大助教の友人に声をかけられて,一回きりの講義を持ってみないかという由,なにも考えずに快諾する.その後ふと我に返り,ひとまず講義の時期,本業に余裕がなくなるかもなくなったらごめんと社長に言う.計画性皆無.

講義の体裁自体はいろいろ資料や助言をもらったこともあり,なんとかやれそうだ.
で,本業が忙しかったこともあり,準備をしないとなぁと思いつつ,そのまま講義が始まる直前一週間前までとくだん何もせずに過ぎる.

一週間を切った頃合いに,そもそも人前で講義時間である 90 分も喋ったことがないことに気づく.情けないことにここにきて狼狽したおれは助教に思わずしょうもない質問をしてしまう.「どうしたら 90 分も話が持ちますか」「なせばなる(大意)」
これはつまり腹を括れということで,腹を括ってひとまず第一回を乗り切ろうと思う.第一回で喋ろうと思っていることをざっくりスライドに落として,録画しつつ通しで喋ってみた.全然 90 分に満たない.説明もぎこちないし,悪いことに何度か言葉に詰まる.これはまずい・・
ふだん自分の喋っている動画を見返すのは気恥ずかしいが,この時はそんなことを言っていられず,見る.語りの怪しいところや明らかに詰まっているところを点検して,スライドを足すか,知識の補強をしていく.
結局,何度か 90 分通しでリハして,これならなんとかなるかとなる.講義前の土日はそうこうしているうちに潰れてしまった.

講義開始

さて,準備はいいぞと第一回に挑んだ.こういうときはうまくいかないもので,尺が余って最後のほうは即興で喋れもしない雑談をした.雑談になっていたかすら怪しいけど.こんなはずでは・・
時間ぴったりに調整したつもりが,本番で多少早口になってしまったようだ.

毎度ばたばたするのは嫌なので,継続的に改善できるように一週をスプリントとしてイテレーションを組むことにした.
準備をタスクとして,講義に向けて準備(リハも含む)が間に合うようにした.また,週ごとにできることを増やしていくために週末にはレトロスペクティブとして YWT(やったこと/わかったこと/つぎにやること) を行った.ひとりで.

講義終盤

何周かするうちに,それなりに講義の形になるというか,安定するようになった.と思う.
もともとのトークスキルの低さはどうしようもないので,喋るに困らない程度に資料を作るというのが基本方針でそれは変えようがなかった.その分,資料を作る早さや喋りに落とすやり方は安定したようだ.
途中からライブでデモやコーディングを取り入れたりしたが,それもそこそこうまくいったかな・・(人から見てどうかは自信がない).

レポートや試験についても従来のものを参考にしつつ,自分なりにアレンジを加えた.
最後の講義が終わったあと,気が抜けたのかそのまま熱が出て 2 日ばかり寝込んだ.

講義を終えて

総じて面白い体験だった(きつかったけど).
講義で難しかったことはだいたい次のようなことに収斂する.

  • 90 分まとめて喋ること
  • あまり詳しくないことについても一定取り上げること
  • 学生の反応を吸い上げること

90 分まとめて喋ることは,イテレーションを繰り返すことで徐々に解決した.あまり詳しくないことについては・・ふつうに勉強しました.実務であまり触れない領域はやはり勉強しないとわからない.この部分はぼくにとってだいぶ収穫だった.それに,実務のほうで講義のために勉強した知見が生きる場面があったりして,世の中よくできてるなと思った.
学生の反応を吸い上げるのは,講義形態がほぼリモートだったこともあってなかなかハードルが高かった.小テストの結果や講義ごとのアンケートで手探りで吸い上げてみたが,どうもこればかりはどうしても感覚がつかめないまま終わってしまった.

おまけ

X で講義の自己採点をしていたりした.