Skip to content
CALL ME STUPID
TwittergithubnotezennQiita

note 書いた: 塔

Diary, Note5 min read

いつか見た夢の供養

夢というのは本当に夢で,数年前の初夏に今にも崩れそうな鉄柱だけで出来た塔の上に暮らしている夢をみた.
その夢自体にはとくに話の筋らしきものはなくて,とにかく,海上を汽車――たぶんあれは汽車だったんじゃないかなぁと思う――で やたら長い時間走った末に行き着いた鉄塔の上に昇ってしばらく暮らす,というものだった.
高層なくせ,スキーのリフト並の防御力のエレベータに青褪めたり,鉄筋だけってこんなに足元スースーするんだっけ??と 自分で自分に嫌がらせをするかのような内容だったが,妙に印象的だったので,掌篇にして供養するか・・というわけで 物語らしい筋をつけた.

そらとぶ道具のこと

脱出するなら空を飛ばないと・・と思って,安直に颯爽と空を滑空できるものをと思ったのだが, 調べてみると某怪盗キッドよろしくサックリ空を飛ぶわけには当然いかない.

だいたい,素人が適当に作ったものではどだいうまくはずもない(彼らはそれでもたいそう楽しそうなのでよいと思うが).

https://www.youtube.com/watch?v=SjGQKZCnYF4
https://www.youtube.com/watch?v=hTLv0jgt4AI

なかにはハンドメイドで飛ぶ人もいるが,これはもはやセミプロの域に到達していて,「この人みたいに出来ている人もいるんだから」 というほうが逆に違和感がある.
こういう人は「ハンドメイドで飛ぶために生きている」みたく人生における手段と目的が逆転しているような領域に いるに相違なく(※ 筆者の勝手な決めつけです),必要に迫られてはじめてハンググライダーなるものを用意せねばならなくなった ような人間とははっきり異なると言うべきであろう.

https://www.youtube.com/watch?v=_8ADC3tUYwI

そういうわけで,誠実な科学ものを書くならば ハンググライダーで島を脱出する という筋書き自体が無理筋であるので 代わりのもっと現実味のあるなにかに置き換えるべきである.
かつて,この地に不時着した飛行機であるとか,「学校」の校長が隠し持っていた滑空機的ななにかであるとか.これを盗み出して ある朝,四人は塔の頂上から思い思いに飛び立つのである.・・悪くないんじゃない?そこから冒険が始まりそうな気もする.

しかし,残念ながら僕は冒険が書きたかったわけではない.
あくまで主役はある晩,僕の夢に現れた不可思議な「塔」であり,住まいながらも傍観する「僕」である.とすると,脱出方法を 現実にどこまで寄せるかはそう大した問題でもないかもしれない.ただ,あまり現実味がないと喉に刺さった小魚の骨のように いつまでもすっきりしない気持ちのままの可能性もある.ひょっとすると改訂するかもしれません.

また,極力調べたり動画を見たりして,ハンググライダーの描写には気を遣ったつもりだが, いかんせん実物に触れたことがないので大いに間違っている可能性もある.次にこういう自分のまったくの知見外のものを 扱うときはもっときちんと調べないといけないな,と反省した.