2006年11月6日
山の声
山のはざまを騎士が行く、陰気で静かな馬の足音。
「俺は今、恋しい人の腕に行くのか?
それとも暗い墓へ行くのか?」
山の声がそれに答える──
「暗い墓へさ」
騎士はそのまま進んで行くが、重い吐息をついて言う。
「早や俺は暗い墓へ行くというのか──
それもよかろう。墓の中には憩いがある!」
山の声がそれに答える──
「墓の中には憩いがあるさ」
愁いに充ちた騎士の頬には一しずくの涙が落ちた。
「俺のために憩いのあるのは墓穴だけか!
それなら墓も悪くはなかろう──」
山の声が空ろに答える
「そうさ、墓もわるくはないさ」
『山の声』 ハインリヒ・ハイネ
投稿者 Khimaira : 02:33 | - | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年8月21日
諦観
最早私を苛む私すら死んだ。
全てなくなった、夢も意思も何もかも。
悩みすらない、全てはあるがままなのだから。
私はこの家で老い、そして死んで行こうと思う。
もう変化は求めない、私はもう変わることはない。
あとは何もなく死んでゆく、それが私の生。
おやすみなさい。
投稿者 Khimaira : 23:39 | - | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年8月21日
無用なもの
時よ止まれ、止まってしまえ。
全てが意味を消失してしまった世界にはお前は必要ない。
世界よ滅べ、私の上に成り立つ全てものよ滅べ。
全ては存在する価値をもたないものとなったのだから。
この器を砕けば全てが無に還る。
投稿者 Khimaira : 02:26 | - | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年8月3日
ずっと変わらないもの
変わらないという事は難しいものです。
うちの会社では変われないとえらく怒られますけどね。
ずっと変わらないもの、永遠なもの。
変われないと言いながら変わりたくないと願っているもの。
未来よりも過去の方が見ていて安心するのは、過去はもう変わらないからじゃあないだろうか。
ずっと昔の幸せな夢を、嘘にしたくはないからね。
おやすみなさいMr.Tomorrow、出来れば貴方を見たくはないな。
投稿者 Khimaira : 01:46 | - | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年7月26日
恋愛論
恋をするには勇気がいる
相手の気持ちを無視して一方的に好きになるなど蛮勇という他はない。
恋愛をするには資格がいる
相手を好きになれる者しか恋愛を成立させる事はできない
そして恋愛は契約である。
互いが互いを満たすという契約である、その契約が破棄された時に二人は破局を迎えるのである。
持たざる者よ、落伍者よ。汝よ老いて死するのみ。
ただ一人で生まれ、ただ独りで死んでゆけ。
投稿者 Khimaira : 23:59 | - | コメント (0) | トラックバック (0)